父親が猫好きで、子供たちがある程度大きくなったら飼いたいと話していて、私が中学生になった時、動物病院から引き取った可愛いさび猫が我が家にやって来ました。 フワフワ長毛な子猫で、家族全員夢中になってしまいましたが、子猫は私と父親によく懐いてくれました。 毛が長いので一見するとわかりにくいのですが、生まれつき華奢な体格で、大人になっても2キロくらいしか体重がなく、小さな猫でした。 ある日、外に散歩に出た際に外猫と喧嘩をしたらしく、尻尾を怪我して帰ってきました。 それ以来、怪我をした尻尾の一部だけ毛が生えなくなってしまい、フワフワの箇所とツルツルの箇所がある、なんともユニークな尻尾の形になってしまいました。 それもまた可愛くて、私は毎日一緒に寝ていました。
最愛のペットちゃんが亡くなった時のお話をきかせてください
特に病気もせず19歳まで生きたので、当然20歳まで生きるだろうと家族みんなが思っていました。 ある日突然ご飯を食べなくなり慌てて病院に連れて行きましたが、老衰によるもので、そう長くはないだろうと言われました。 栄養を与える点滴や注射などの処置もしてもらいましたが、みるみるうちに目が見えなくなり、やせ細って行きました。 延命治療を1週間ほど続けましたが、たまたま父親が休みの日に眠るように亡くなりました。 唯一よかったのは、父親の腕の中で亡くなったことです。 誰もいない家でひっそりと息を引き取ることにならず、本当に良かったと思っています。 仕事から帰宅した私は冷たくなった猫を見て、今までに体験したことのない悲しみでワンワン泣きました。 その後1ヶ月くらいは思い出しては泣くという生活が続きました。
あなたがペットロスになった時の状況や気持ちなどの体験談をきかせてください
どんな失恋よりも、飼い猫がいなくなった悲しみは辛かったです。 猫は話せないので、痛いとか苦しいを分かってあげるのに時間がかかってしまったことを悔やみ、もっと延命治療を続けてあげればよかったかな。などと、毎日泣きながら考えていました。 父も同じくらい落ち込んでいて、見ていても辛かったです。 家族をなくす悲しみを初めて経験し、写真を見ては泣くという日々を1ヶ月近く続けました。 ところが、ある日帰宅すると家に子猫がいました。 また父親が動物病院からもらって来たのです。まだ先人がいなくなって3ヶ月も経たないのに…と、少々複雑な気持になりましたが、可愛らしい子猫の世話をしているうちに、悲しみから解放されて行きました。
これからペットロスを迎える方に向けてアドバイスするとすればどんなことを言いたいですか?
賛否あるかと思いますが、多頭飼育していることで、別な子の相手をしながら悲しみを紛らわすことも出来ると思います。 我が家は1匹だけ飼っていたので、1匹を失った悲しみから抜け出すのが本当に大変でした。 ペットロスを回避できるのはペットでしかなく、人間にいくら優しい言葉をかけてもらっても心の傷はふさがらないです。 時間が経つことで徐々に悲しみは和らぎますが、テレビやsnsでかつての我が子に似た子を、自然と探してしまいます。 これはもう仕方がないことだと思います。 忘れないであげることが1番の供養になると思います。