初めて我が家にきた時は、子猫ではなく成猫になっていました。人見知りも激しく、家に着いてキャリーケースから出た途端、奥の部屋へ走って逃げていきました。部屋に行ってみると、見当たらず、探してみたら背の高いタンスの上にいました。どうやって上ったのか、不思議でした。1週間くらいは、昼間はタンスの上にいて、夜間に人けがなくなったら降りて水や食べ物を食べる生活をしてましたが、ある日、突然、昼間に下に降りてきて、私のそばに歩いてきて、そのまま、座っていた私の膝の上に乗り、喉をならし始めました。この時が、私に心を初めて開いてくれた瞬間でした。その後も、触ろうとすると逃げられたり、猫パンチを食らったりしつつも、日に日に、猫との距離が近くなっていきました。しっぽをピーンっと立てて、私の方に歩いてきてくれたり、頭を私の手に擦りつけてきたり、そして、私を見て目を細めてくれたり、たくさん猫の愛情表現を我が家の猫からはもらったと思います。冬になると寒くて寒くて、毎晩、寝ている私の布団にも入ってきました。家族以外の人が家に来ると、逃げて隠れてしまい、あとで家じゅうを探すこともしばしば。家族の前にいる時だけリラックスして、仰向けにお腹を出して寝ている姿を見ると、本当に心を許してくれてるんだなぁ‥と思い、可愛く、大切な存在でした。
最愛のペットちゃんが亡くなった時のお話をきかせてください
20歳をこえていたので、かなりの老猫でした。最後の方は、歩くのもやっとでした。なるべく、水やご飯、トイレは、猫の近くに置くようにしていました。立ち上がるのも大変なのに、水やご飯、トイレなど、すべて自力で歩いて行こうとしていたので、私は常に近くで見守り、時々、体を支えて助けてあげていました。食欲もなくなり、ご飯もあまり食べれなくなり、身体も元気だった頃の半分くらいに、骨と皮だけのようになってしまい、小さくなってしまって悲しかったです。時々、かかりつけの病院に連れて行っては、身体の状態を先生に診てもらっていました。だんだん寝ている時間が増え、弱くなっていってしまいました。少しでも長生きしてほしいと思い、毎日、そばで寝て、夜中に時々起きながら猫の様子を見守っていた頃、ある朝起きたら、猫が動かなくなっていました。息を引き取ったのか、かすかにまだ呼吸もしているような気もして、病院にすぐに連れて行ったら、もう既に亡くなっていること(老衰だったこと)を先生から伝えられました。
あなたがペットロスになった時の状況や気持ちなどの体験談をきかせてください
いつもそばにいて一緒だった飼い猫が亡くなってしまい、とても悲しかったです。亡くなった後は、箱に猫を入れて、庭に咲いていたお花もたくさん入れました。そして、大好きなチュールやご飯も入れました。あの世で、猫のお友達と一緒に分け合って食べられるように、食べ物をいくつか複数入れました。動物の火葬場で、火葬してお骨になったのを見た瞬間は、とてもショックで悲しかったのを覚えています。触ると、とても柔らかく温かかった飼い猫が、もうお骨になってしまって、触ることも出来なくなってしまったことが信じられませんでした。抱っこした時のあの柔らかい触感だけ、いつまでも忘れられずにいます。でも、骨壺を抱っこした時は、なぜか不思議と猫を抱っこしているような柔らかさを感じて、腕の中に愛猫がいるような気がして、心が温かくなった気がしました。
これからペットロスを迎える方に向けてアドバイスするとすればどんなことを言いたいですか?
大切な可愛いペットが、もうすぐ旅立ってしまうと分かっている時、そのことに実感が持てず、信じられない気がすると思います。その分、亡くなってしまった時に、深い悲しみと喪失感におそわれると思います。ペットと一緒にこの世にいられる時間は、限られているので、できる限り、そばにいてあげてほしいと思います。抱っこしてあげたり、触ってあげたり、心の中でも良いので、ペットに話しかけることも良いと思います。私は「今まで一緒に過ごしてくれてありがとう。いつも助けてくれて、一緒にいてくれてありがとうね。同じ時代に生まれてきて、出会えたことは奇跡で、嬉しかったよ。」と、たくさん伝えたいことを伝えました。